SAJスキーバッジテスト2級

石打丸山2級受験レポ(2004/02/11)

積雪   :280cm
雪質   :湿雪(やや重め)
検定内容:2級
       整地斜面(中急斜面)での
       @総合滑降
       A大回り
       B中回り
       C小回り
       の4種目(上記の順番で実施)
       コースは中央チロルリフト左の「ホピヒラーコース」。最大30°平均18°
       きちんと圧雪してあり、滑走者も少ないので荒れず、割と滑りやすいゲレンデ。
       (日によっては、隣の「チロルゲレンデ」になることもあるらしい)
       *各種目平均65点以上で合格。

受験結果:14人中5人合格

↓個人成績表より

種目 大回り 中回り 小回り フリー滑降 平均点 順位
得点 65 67 66 65 65.75
種目別最高点 66 67 67 66

検定員コメント:A/スピードコントロールが出来ていないケースが見られた。
          (実は僕も小回りで気持ち暴走しましたので、言われた時どきっとしました)
          B/緊張の所為か、動きが固い人が多かった。
          荷重交換は「上下動」で表現できるが、それがあまり見られなかった。

皆さんの滑りを拝見していましたが、
けっこう厳しい基準で評価されていました。
その理由というのが、SAJ監修の「2級合格法DVD」と比べて
石打の基準の方が上だなと思ったんです。
DVDでは小回りで72点の受験者の滑りが出てきますが、
多分石打では、そんな点数は出ないでしょう。
人が判断するわけですし、スクールのカラーもありますから
差はあると思いますが・・・。
「取りやすいスクール」があるのも、何となく納得です。

 バッジテスト2級について

SAJ(全日本スキー連盟)公認のスキー技能テストです。
公認スキー学校や加盟団体で受験することができます。

 種目解説

種目 斜面 実技内容 評価方法の内容 評価方法と合否基準 受験資格
○パラレルターン大まわり(整地)
○パラレルターン中まわり(整地)
○パラレルターン小まわり(整地)
○フリー滑降
・中急〜急斜面
・中斜面
・中急〜急斜面
・総合斜面
同上 同上 ・1種目最大値100ポイントx4種目
・取得ポイントは検定員3名の平均値
 (小数点第1位四捨五入)
260ポイント以上を合格とする
 (最大値400ポイントの65%以上)
・中学生以上

2級では「テールコントロールを使って、確実にスピードコントロールができること」が
チェックされているようです。

 検定Q&A

ここでは、実際の検定に基づいて感じた点や疑問点を挙げてみます。

1. 得点の基準は?
毎年3月に行われる全日本技術選の上位選手に出る90点台を最高に、プルークボーゲンを使って初級コースを下りてくることが
できる5級の50点まで、同じ評価基準で採点されます。
しかし!その評価をする人はあくまでも人。検定員によって差が出ることは容易に想像できます。
斜面状況によっても滑りは左右されますので、日頃からいろいろなバーンを滑っておくことが
大事なのではないでしょうか・・・。

2. 事前講習は受けた方が良い?
以前の実践講習テストの名残で、検定前に同じバーンを使ってレッスンを受けられるのが事前講習です。

2級については必須ではありませんが、受けた方が以下の点で有利です。
→検定員に事前に自分の実力を見てもらい、アドバイスを受けられる
→検定バーンのコンディションを把握し、それに合った滑りを調整できる
ただ、事前講習はスクールの授業ではないので、大人数が一斉に受講します。
スクールの時のような丁寧な説明は、あまり期待しないほうがいいでしょう。

ちなみに苗場のように事前講習が常に必須のところもあります。

3. 検定バーンはどこを使う?
スクールによって、あらかじめ幾つかの候補を準備している場合が大半のようです。
その日のコンディション、イベントの実施などによって変更もあるでしょう。
ちなみに石打丸山では、ホピヒラーコースもしくはチロルゲレンデが多用されているそうです。
受験するスクールに事前に入っておき、先生に聞いておくのがおすすめです。

4. マテリアルは?
カービングスキーであることは必須です。
その中でも柔らか目のもので、サイドカーブが少しきつめのものがいいでしょう。
レンタルスキーでも受験はできますが、以下の点で不利です。
→使い慣れていない
→チューンナップがされていないので、板が走らない


ストックは短すぎず、長すぎず、適正のものを使いましょう。
万一短いストックを使用して、ターン内側にストックを突いた時、肩が下がりようものなら
その後のターンの内倒につながりかねません。

あと、安全の為、ニット帽等の着用をお忘れなく。

5. 練習法は?
これは絶対に「スクールに入る」に限ります。
客観的に自分の滑りを見て、的確なアドバイスをくれるし、疑問点にも応えてくれるからです。
スクールの受講料は惜しまず、共に頑張りましょう。
その上で、指摘された項目を練習したり、自分の滑りをビデオに撮って研究したりするのがいいでしょう。
「自己流」には限界があることを、自分自身、肌身をもって感じました。

6.採点上、加点になること、減点になることは?
2級について言いますと、加点になることは「トップからターンを始動させ、スピード感ある滑りができること」です。
しかし、あくまでも「斜面状況」に対応した滑りでなければならないので、あまりないとは思いますが、
急斜面でトップコントロールを使って滑るというのは、度を超えているのでは?と思います。
これは「テクニカルプライズ」級の滑りですね。
減点になることは幾つかありますが、
後傾、暴走、内倒
が主要な減点対象のポイントです。
@後傾・・・言わずと知れた「スキーが先に走って、体が遅れている」滑りです。
       自分でスキーをコントロール出来ていない滑りである為、マイナス点となります。
A暴走・・・これも「コントロール出来ていないスピード」の場合に減点となります。
       「コントロール出来ているスピード感」には、正常な前傾姿勢が見られますが
       暴走時には「ターンの弧が縦長になる・不規則になる」や「後傾」が出てきます。
B内倒・・・ターン内側に体が倒れている姿勢です。
       きちんと外足に荷重ができないので、きれいなターン弧を描けなくなります。
       もっとも、検定員は姿勢だけ「内倒してる!」と判断しますが・・・。

更に細かく言いますと・・・

 * 「大回り」
 
 マイナスポイント: 雪質無視 内傾過多 連続性無し 状態の動き先行し過ぎ 角付け先行 
  プラスポイント  : 安心感

 * 「中回り」
  
マイナスポイント: 転倒⇒2〜3点減点 テールコントロール不十分 リズム遅過ぎ 上体の使い過ぎ
  プラスポイント : リズミカル、安定性

 * 「小回り」
 
 マイナスポイント: ストックワークが悪い リズムが無い 交互スウィングがあり過ぎ リズムの刻みが多い(中回りに近い) 
              上体の先行し過ぎ 下肢のリズムが無い
  プラスポイント :  弧を描ける



6. チューンナップは?
僕の場合、以下の作業だけは毎回行っています。

まず左の写真ですが、左から順に「細目ファイル・粗目ファイル(ヤスリ)、ブラシ、サイドエッジシャープナー、オイルストンです。
@ 滑走面の汚れを落とす(右写真のシーサーバースプレー使用)
A 粗目ファイル、細目ファイルを使って、ソール(エッジ以外の滑走面)のフラット化とエッジのサビ・焼きを落とす。
B (ブラシはファイルの目詰まり防止です)
C サイドエッジシャープナーでサイドエッジの研磨
D オイルストンをエッジ・サイドエッジにかけて研磨
そして右の写真です。左から「シーサーバースプレー、ペーパータオル、コンケストのピンクコレクションワックス、アイロン、
プラスチックスクレパー」です。
E シーサーバースプレーを塗布
F ペパータオルでふき取る
G コンケストの「ピンクコレクションワックス」を、アイロンをバーナーで熱し、よく塗り込む
H 滑走直前にプラスチックスクレパーで最良の状態までワックスを薄くする

コンケストの「ピンク」は、どんな雪にも合うし、ベースワックスが不要なので
非常に使い勝手のよいワックスです。
熱心なスキーヤーの場合、ワックスを塗る前にストラクチャー加工(ワックスがよくかかるようにソールに細かな傷をつける)
をしたり、ワックスをベースワックス&滑走ワックスに分けて、当日の雪質に合わせて調合したり、
いろいろやられているようです。

最低限、「これだけはやって!」と思うのは
「エッジのサビ・焼き落とし」と「ホットワクシング」ですね。
これだけで、滑走性はかなり向上します。
お金に余裕のある方は、チューンナップ工房へ・・・。

ちなみにホットワクシングもその性能が生きるのは、最長で1日。
ザラメ雪・アイスバーンだと半日くらいですっかり落ちちゃいます。
検定前日は、しっかりしたチューンナップをおすすめします!

思いついたら、Q&Aを増やしていきます。


2005シーズンの菅平
2級テストの様子

1級も2級も同じバーン。
長さは違います。

2級のバッジ
タテは100円玉と同じ長さです

2級の合格証
免許証より大きい程度です


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